Art de Vivre
エッセイ 「生活はアート」 について
パトリス・ジュリアン著 「生活はアート」 より一部をご紹介。
パトリス・ジュリアンは 1952年生まれのフランス人で
1988年フランス大使館文化担当官として来日。
1994年まで 日仏学院の副学院長を務め ラジオのDJや
料理研究家 レストラン経営など 大活躍との経歴。
*「暮し」とか「生活」というと 「アート」とはかけ離れたものだと思われがちですが
フランスでは ライフスタイルと言うとき それを生活のアート
「アール・ド・ヴィーヴル」と表現します。
フランス人にとって 日常生活は アートでなければならず
奥さんは 誰もがアーティストでなければならず
芸術作品は 人々の日常を楽しくさせるためにあると考えます。
アートは 人間と動物とを分ける境界線です。*
「生活はアート」というタイトルは 魅力的でインパクトがあり
毎日の生活にこそ アートという芸術性をもたせるとの価値観は
新たなライフスタイルの創造にもなりますので お勧めのエッセイです。
*オリジナルでありたい クリエイティブでありたいというのは
フランス人なら当然のようにもっている感覚です。
フランス人にとっては 「売れるから」といって 他人の真似をするのは
大変後ろめたい行為です。自意識も高いし 仕事や人生を通して
自分らしさを追及していきたいと 願っているのです。*
他人の真似をするのではなく オリジナリティやクリエイティブに価値をおき
自分らしさという 個性を重んじる文化が育まれることを願います。
*昔の日本人の家や 部屋の写真を見ていると
決して「収納を見せる」文化ではないことに気がつきます。
現在のインテリア雑誌だって ものをいかに見せるかではなく
いかに隠すかがテーマとして取り上げられているようです。
しまった食器が 目障りにならないように カップボードの内側に
わざわざカーテンをつけたり 炊飯器や電話機にギンガムの布をかぶせたり
カフェ・カーテンをつけたりと とにかく中味を隠したいようなのです。
僕の場合かくしておきたいものは買いません。だから隠すものはありません。*
「生活はアート」という価値観から 生まれる生活文化の違いは
歴史や文化により 簡単には変わらないと思いますが
生活の中にアートという文化や価値観を取り入れて
毎日の生活を楽しくしていきたいと思います。
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