Landscape

Leaf

2011年01月07日 12:00


旧門司三井倶楽部


-column- 港町の社交場


"1921(大正10)年完成の旧門司三井倶楽部

三井物産が接客用の社交クラブとして建設

大小五つの切妻屋根 骨組みの柱や梁を露出させる

ハーフティンバーなど直線的デザインが印象的。





舶来品が並びシルクハットの外国人が行き交った港町

その栄華の記憶は多くの賓客を迎えた館と

ともに語り継がれている。





そのころの日本は大正デモクラシー

自由な空気の中豊かな消費生活と大衆文化が

花開いて 人々の知的好奇心も高まった時代だった。





1922年(大正11年)アインシュタイン夫妻が

4日間滞在し現在は寝室と共に

「アインシュタインメモリアルルーム」

として公開されている。





設計者は九州建築界の発展に尽力した

松田昌平でマントルピースやシャンデリアなどが

往時の華やかさを伝えている。

1990年に国の重要文化財に指定。"





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

外観は大小の急勾配切妻屋根と

ハーフティンバーによる直線的なデザイン

グレーを基調とした壁と窓枠(白)のコントラストは

洗練されたデザインとして見事な景観を創りだしています。





外観の直線的で抑制されたデザインとは対照的に

大正モダンの香りが漂う華やかな室内は

マントルピースや窓飾りが施され

アールデコ調は丹念な天井飾りと相まり

賓客を迎えるに相応しい華やかな雰囲気です。





解体移築工事は熟練職人の手作業により

4年の歳月と17億円が投入されたとのことですが

重要文化財として更に歴史を重ねて欲しいと願います。





艱難辛苦により人間として成長と同様に

建物も風雪に耐え経年により本物は輝きを増す

そんな住宅や店舗の建築デザインを創りたいと思います。


関連記事