Landscape
旧門司三井倶楽部
-column- 港町の社交場
"1921(大正10)年完成の旧門司三井倶楽部は
三井物産が接客用の社交クラブとして建設
大小五つの切妻屋根 骨組みの柱や梁を露出させる
ハーフティンバーなど直線的デザインが印象的。
舶来品が並びシルクハットの外国人が行き交った港町
その栄華の記憶は多くの賓客を迎えた館と
ともに語り継がれている。
そのころの日本は大正デモクラシーの
自由な空気の中豊かな消費生活と大衆文化が
花開いて 人々の知的好奇心も高まった時代だった。
1922年(大正11年)アインシュタイン夫妻が
4日間滞在し現在は寝室と共に
「アインシュタインメモリアルルーム」
として公開されている。
設計者は九州建築界の発展に尽力した
松田昌平でマントルピースやシャンデリアなどが
往時の華やかさを伝えている。
1990年に国の重要文化財に指定。"
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外観は大小の急勾配切妻屋根と
ハーフティンバーによる直線的なデザイン
グレーを基調とした壁と窓枠(白)のコントラストは
洗練されたデザインとして見事な景観を創りだしています。
外観の直線的で抑制されたデザインとは対照的に
大正モダンの香りが漂う華やかな室内は
マントルピースや窓飾りが施され
アールデコ調は丹念な天井飾りと相まり
賓客を迎えるに相応しい華やかな雰囲気です。
解体移築工事は熟練職人の手作業により
4年の歳月と17億円が投入されたとのことですが
重要文化財として更に歴史を重ねて欲しいと願います。
艱難辛苦により人間として成長と同様に
建物も風雪に耐え経年により本物は輝きを増す
そんな住宅や店舗の建築デザインを創りたいと思います。
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